老いは治せる病気である。
「LIFE SPANー老いなき世界」デビット・A・シンクレア著 東洋経済
最近のベストセラーです。彼らは言う、「老化を規定した遺伝子は存在しない」「老化は人類にとって必須の避けられないものではないのである」、そして、彼らは言い放つ、「老化は病気の一種であり、治すことができる」と。我々は老化とは死に繋がる回廊のようなもので、そこは避けられない道だと漠然と考えてきました。しかし、そうではなく、適切な対処(治療)を行えば老化を防ぎ、少なくとも遅らせることができるのです。そして、それがうまく行けば、120歳まで健康で元気に生きることも可能になるのです。
典型的な老化の特徴があり、以下の9つが挙げられています。
- ゲノムの不安定性
- テロメア
- エピゲノム
- タンパク質
- 栄養
- ミトコンドリア
- 老化細胞の蓄積
- 幹細胞の枯渇
- 慢性炎症
私はこの中でも最もミトコンドリアが老化において中心的な役割を果たしているのではないかと考えています。がんが進行してくると、悪玉キラーT細胞が増加してくることを以前書きましたが、この細胞はミトコンドリア機能不全と深く相関しており、悪玉キラーT細胞を測定することでミトコンドリア機能を推測することができます。最近、自己免疫性疾患でもこの悪玉キラーT細胞が増加していることを見出しました。すなわち、がんも自己免疫性疾患もその病態の本態はミトコンドリア機能不全なのです。水素ガスはミトコンドリア機能不全を改善することができますので、水素ガスを吸引することでがんや自己免疫性疾患、そして老化も予防することができると考えます。そして、その改善の度合いを悪玉キラーT細胞を測定することで見える化できるのです。