くまもと免疫統合医療クリニック院長の赤木純児です。2018年、本庶佑先生が免疫にブレーキをかけるPD-1という分子の発見でノーベル賞を受賞されました。このPD-1のブレーキを外す薬がオプジーボであり、これを使うと、末期がん患者様でも治癒するという奇跡的な現象が少なからず起き始めています。このことは「免疫こそが、ガン治療の主役である」ということを強く指し示しています。当クリニックの主眼は免疫力を上げながら、ガン治療を行うということです。免疫を上げる基本的な治療法は、ハイパーサーミアによる温熱療法、水素ガス療法、オプジーボを始めとした免疫チェックポイント阻害剤、タヒボやカイジ顆粒などのサプリメント、漢方薬などを使い、これと化学療法(低用量で使用)や放射線治療(免疫を活性化する方法で照射)などの標準治療を組み合わせていきます。私の掲げる統合医療とは、このような免疫を活性化する治療法と標準治療との合体です。こういう治療を行うことで、標準治療ではもう治療法がなく余命2−3ヶ月と言われたような末期ガン患者様でも治療効果がでて、1年、2年、3年と生存されている方が数多くおられます。中には、ほぼ治癒状態になったような患者様も少なからず出始めています。
これまで様々な標準治療を受けられていてその効果がなくなっていたとしても、
免疫を上げる治療を行えば、効かなくなった抗がん剤や放射線も
また効果を発揮するようになりますので、決して諦めないでください。
私たちは患者様の免疫状態に合わせた治療を選択して、
個々の患者様に最適の医療(オーダー医療)を行います
ハイパーサーミア(サーモトロン RF8)は、身体の表裏にセットした一対の電極の間に、AMラジオとFMラジオで用いる周波数の間に相当する、人体加温に最適な8MHz波(高周波)を流すことで身体内部に高周波電流が流れ、そのジュール熱により患部の温度を上昇させる仕組みです。身体の中心部は42~44℃に加熱し、42℃以上になると、がん細胞が特異的に死滅します。正常組織に比べて熱に弱いうえに、熱を逃がすことのできないがん組織はこの温度に耐えることができず、死滅していくのです。周辺部は40℃前後に加温されますが、そうなると免疫が活性化されます。主には、ガン抗原をリンパ球に提示する樹状細胞を活性化し、血流を増加させることでリンパ球を始めとした免疫細胞がガン細胞に到達しやすくします。このように、ハイパーサーミアはガン細胞を特異的に殺すとともに、ガン細胞周辺の免疫環境を整えることでガンに対する免疫が誘導しやすくしています。
ハイパーサーミアを併用すると、抗がん剤を標準量より少ない量で使用しても標準量を使用した場合と同様の効果を発揮します(低用量抗ガン剤治療)。ヨーロッパ近世の医師、パラケルススが「すべてのものは毒、用量が毒か薬かを区別する」と言っているように、抗がん剤も大量に使用すれば免疫にとって毒になりますが、少量を使用すれば良薬になります。その証拠に、低用量抗ガン剤治療はガン患者様に存在する免疫の抑制を外す作用があることが数多く報告されています。また、低用量抗ガン剤は、副作用も少なく標準量の抗ガン剤治療よりも長く使用することができます。
水素ガスは、4つの活性酸素の中で悪玉活性酸素である、ヒドロキシラジカルのみを除くという特徴があります。このヒドロキシラジカルは、ガン、高血圧、糖尿病、老化などに関与しているといわれています。また、ヒドロキシラジカルは、ミトコンドリアDNAを傷つけてミトコンドリア機能不全の原因にもなっています。ヒドロキシラジカル以外の3つの活性酸素、過酸化水素、スーパーオキサイド、一重項酸素は、善玉活性酸素で免疫を活性化しています。さらに、水素ガスは、ミトコンドリア活性化因子である、PGC-1αを活性化することが報告されており、ガン患者様で増加して予後不良に関与している、疲弊CD8+T細胞のミトコンドリア機能不全を改善して疲弊CD8+T細胞を再活性化してガン患者の予後改善に寄与しています。このように、水素ガスはガン患者の免疫のバックグラウンドを改善すると考えられます。さらに、水素ガスは、疲弊CD8+T細胞を再活性化することで、オプジーボの臨床効果を我々の研究では約3~4倍に増強します。従って、オプジーボの投与量も標準量の1/3~1/4の量に抑えることができています。
当院の行なっているガン治療は、ハイパーサーミア、低用量抗ガン剤治療、水素ガス吸入療法、オプジーボの4つを基本的治療法としています。オプショナル治療法として、免疫細胞療法、タヒボやカイジ顆粒などの抗ガンサプリメント、そして、最近、光免疫療法なども患者様の病状や経済状況に応じて付け加えております。こういう治療を行うことで、他院で治療法がなく余命2~3ヶ月と宣告されて、緩和病棟を勧められた患者様が、1年、2年、3年と寿命を伸ばされています(図参照)。
ほとんどの患者様が、余命を宣告された、ステージ4の患者様ですので、ここにあげた治療成績は、自分でも驚くべきものだと考えています。
以下に、我々の複合免疫療法(ハイパーサーミア+低用量抗ガン剤治療+水素ガス吸入療法+オプジーボ)の治療成績を載せています。
これまで、約460症例の治療を行ってきましたが、その全生存率曲線を全患者とそれぞれの臓器別に提示します(全生存率がその治療法の有効性をもっとも鋭敏に反映します)。
このように、複合免疫療法(ハイパーサーミア+低用量化学療法+オプジーボ+水素ガス)を行うと、化学療法のみの患者様に比べて、生存期間が約3倍から5倍に延長しています。乳癌に関しては、まだ、50%以上の患者様が生存されているという素晴らしい結果になっています。
21世紀の医療は予防医療とも言われています。病気にならない身体をつくることが病に対する最大の防御であり、今膨らみ続けている医療費の削減にも最も効果的だと考えられます。そこで重要になってくるのが、「健康」の定義です。「健康」とは、すくなくとも病気をもっていないこと。病気とは、日常生活や仕事に支障をきたすような身体の異常であり、それに対する治療をしているという状態だと言えます。
例えば、脳梗塞や心筋梗塞、ガン、認知症、肺炎などです。これとは違って、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満などの所謂メタボリックシンドロームはどうでしょうか。これらの多くの人達は、これらの疾患を抱えながらもほとんどの方が症状がなく日常生活や仕事は続けられています。このような検査で異常がありながら症状のない状態を西洋医学的未病と言います。高血圧や高脂血症や糖尿病は、これらが進行すると、血管の障害(特に、動脈硬化)が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながります。そのため、これらの疾患の治療は、そういう重大な病気に陥らないようにするための予防の一つだと考えられます。
上記の西洋医学的未病に対して、東洋医学的未病というのがあります。これが本来の未病に相当するもので、自覚症状があるが検査では異常が認められないものです。
現在、死因の第一位で、年々増加し続けているガンに対する予防はどうでしょうか。
ガンも生活習慣病の一つだと考えて、生活習慣病を改善する生活がガン予防になると言われてはいます、それも一理ありますが、それには大きな観点が欠けています。この冒頭にも述べましたように、ガンは所謂「免疫異常」であり、免疫を改善することがガン治療にもガン予防にも重要だということです。生活習慣病である、高血圧、高脂血症、糖尿病には、それぞれ、血圧、血中のコレステロールや中性脂肪の値、血糖という、計測できる指標があり、これらの値を改善することが予防に繋がると考えられます。このように、予防には目に見える形での指標が必要になります。しかし、免疫には未だ明らかな指標がこれまで存在していませんでした。これまでいろんな免疫の指標が報告されていますが、あまりに多すぎてどれが最も重要なものなのかと判断が難しい状況です。我々は進行癌患者様の治療を行いながら、その中でも、ガン患者様の予後にもっとも直結する免疫指標を試行錯誤しながら見つけてまいりました。
その中で浮かび上がってきたのが、本庶佑先生が発見された、免疫のブレーキであるPD-1という分子を発現する、キラーT細胞であり、これが進行癌患者様の末梢血中に増加してくると予後が悪くなるという事実でした。このPD-1を発現するキラーT細胞は疲弊T細胞とも言われており、その本体はミトコンドリア機能不全による代謝異常であり、この疲弊T細胞はキラーT細胞本来の細胞傷害活性や増殖能、サイトカイン分泌能を失っています。これとは別に、PD-1を発現しているが、ミトコンドリア機能は維持しているキラーT細胞も存在しており、これはキラーT細胞がガン細胞とコンタクトしたときに一過性にPD-1を発現したものと考えられ、このキラーT細胞はオプジーボが最も奏効するT細胞であり、我々はこれをサプレッサーT細胞と呼んでいます。サプレッサーT細胞はガン局所に存在しており末梢血中には出現してこないものと考えられます。前述したPD-1を発現して末梢血中に出現して予後不良に関係するキラーT細胞はミトコンドリア機能不全に陥った疲弊T細胞と考えられ、我々はこれを悪玉キラーT細胞と呼んでいます。
悪玉キラーT細胞が末梢血中に増加してくるのは進行癌患者だけでなく、健康成人でもこれが増加している人が存在することに我々は気づきました。高齢者で認知症や誤嚥性肺炎を発症している人たちには、この悪玉キラーT細胞が増加している人たちが多く含まれているのです。また、現在全く疾患を持たない健康成人でも、約半数で悪玉キラーT細胞が増加しており、これらの人たちは、将来的に、認知症や肺炎、そして、ガンのハイリスクグループになるのではないかと推定されました。これらの結果より、末梢血中の悪玉キラーT細胞の割合は、将来的な疾患予測、所謂「未病」の予測因子になる可能性があるのではないかと考えました。PD-1は免疫チェックポイント分子と呼ばれていますが、免疫チェックポイント分子にはこの他にTim-3という分子も存在しており、PD-1とTim-3が同時発現するキラーT細胞(超悪玉キラーT細胞)は、ミトコンドリア機能不全がPD-1のみ発現している悪玉キラーT細胞よりさらに深刻で、オプジーボもこの超悪玉キラーT細胞が高い症例では悪玉キラーT細胞よりもさらに効かなくなります。こういうことから、悪玉キラーT細胞と超悪玉キラーT細胞は、未病の指標になる可能性があります。これらをモニタリングしながら、これを下げる努力が健康長寿に繋がっていくものと考えています。
上記したように我々がガン治療に使用している治療法の他に、ヨーガ療法、鍼灸、アロマ、ホメオパシー、精神心理療法などの補完代替医療と言われてきた療法がありますが、これらも別のアプローチからの免疫を活性化する方法だと考えています。これらの療法は、がんの治療では補助的な役割ですが、病気の予防や健康維持、そして今話題の「未病」の改善には大きな力を発揮すると私は考えています。これらのがん治療や病気の予防などを進めるためには免疫の測定が不可欠になってきますが、当院では血液検査で簡単に測定できる、上記の2つのパラメータを含めた7つの免疫パラメータを使って、患者様の免疫状態の把握、そしてその動向を見ながら治療しています。また、健康な方でもこれらの免疫パラメータを用いることで、まだ病気ではないが免疫的には病気に近い方、これが私の考える「未病」の定義ですが、そういう方を見分けることも可能になってきます。そして、このような「未病」の方に上記のような補完代替医療を組み合わせることで、「未病」の治療も可能になるのではないかと考えています。これこそが、本来の意味の予防であり、すくなくとも、ガン予防、認知症予防、肺炎予防に繋がり、さらなる健康長寿に繋がっていくと思われます。
免疫パラメーター | 何を見るか |
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キラーT細胞 Terminal CD8+T cells | ガン細胞を殺す強さ |
悪玉キラーT細胞 PD-1+terminal CD8+T cells | 免疫抑制の程度≒ミトコンドリア機能不全 |
超悪玉キラーT細胞 PD-1+Tim3+terminal CD8+T cells | さらに強い免疫抑制≒さらに強度なミトコンドリア機能不全 |
CD57 ratio | CD8+T 細胞の分化の指標 =免疫反応が活性化されているかどうか |
コエンザイムQ10(CoQ10) | ミトコンドリア機能 |
GDF-15 Growth Differentiation Factor 15 | ミトコンドリア機能(ミトコンドリア病で増加) |
好中球リンパ球比(NLR) | 癌患者の予後不良の指標(ストレス指標でもある) |
また、当院では患者様との間に揺るぎない信頼関係を作ることに努力を惜しみません。というのは、患者様の我々スタッフに対する信頼の気持ちは治療効果にも大きな良い影響を与えてくれるからです。スタッフ全員がその持ち場持ち場で考えられる限り全力を尽くして、個々の患者様に応じた最適のサポートをさせて頂きたいと考えています。これまで述べてきたような、当院の医療は、がん患者様、とくに標準治療だけでは改善できない進行癌患者様たちの大きな福音になると信じていますし、さらに、当院が目指している「未病」の治療は日本国民ばかりでなく、全世界の人々の健康長寿に寄与すると期待しています。
がん治療においては数多くの新たな治療方法が開発されています。保険外ではありますが、最先端の治療を受けることができ、治療法も選択肢が増えて、自分の体質や病気にあった治療を制限なく受けることが可能です。
また、「日本では未承認だが海外では承認済み」のような最先端治療を受けることも可能になります。
自費診療 | (税込) | ||||||||||||
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キイトルーダ点滴静注 100mgX1(100mg) | 420,000円 | ||||||||||||
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免疫状態を調べるための血液検査 | 12,000円 | ||||||||||||
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活性化自己リンパ球療法 | 220,000円 | ||||||||||||
自家がんワクチン療法 | 1,650,000円 | ||||||||||||
プロテオ検査 | 65,450円 |
診断書・明細書 | (税込) |
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診断書 (自院様式) | 2,200円 |
診断書 (生命保険・損害保険診断書) | 5,500円 |
明細書 (生命保険・損害保険診断書) | 5,500円 |
医療費等の状況 (学校提出、日本スポーツ振興センター災害共済給付の請求に用いるもの) | 無料 |
死亡診断書 (1通目) | 5,500円 |
死亡診断書 (2通目以降) | 2,200円 |
傷病手当金意見書 | レセプトにて |
セカンドオピニオン | (税込) |
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セカンドオピニオン料 | 20,000円 |
健康診断 | (税込) |
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基本診断 | 10,800円 |
人間ドック (日帰り) | 38,000円 |
人間ドック (一泊) | 65,000円 |
がん検診 (一泊) | 75,000円 |
乳がん検診 (日帰り) | 28,000円 |
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