オプジーボが効くためには

前回、悪玉キラーT細胞が高いとオプジーボが効かないと書きました。悪玉キラーT細胞とは、癌細胞や癌環境から様々な刺激を受けることで、ミトコンドリア機能不全に陥ったT細胞で、その結果、キラーT細胞としての一番の機能、がん細胞を認識して破壊する機能、を失っています。この細胞が末梢血中に増加してくると、オプジーボの効果は期待できず、患者は長生きできません。しかし、水素ガスを吸入して悪玉キラーT細胞が減少する患者さんは長生きできるようになります。水素ガスで悪玉キラーT細胞が減少する患者さんは約6割くらいです。こういう患者さんでは、ミトコンドリア機能不全はまだ reversibleで回復可能で、オプジーボが効果的だと考えられます。しかし、残りの3〜4割の患者さんはミトコンドリア機能は回復不可能で、オプジーボ抵抗性だと考えられます。癌治療はできるだけ早く開始した方がいいというのも、ミトコンドリア機能が回復可能なうちに治療を開始した方が治療効果がいいと言い換えることができるかもしません。

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