オプジーボの効果が出るまでを予測できるようになりました
末梢血で測定できる、悪玉キラーT細胞が高い症例は、オプジーボが効きにくい傾向を示します。がん患者の末梢血中に出現してくる悪玉キラーT細胞はミトコンドリア機能不全をもっておりそのためキラーT細胞としての機能を喪失しています。したがって、オプジーボがPD-1/PDL-1の結合を切断したとしても、キラーT細胞の機能は改善しないので、オプジーボは効果を発揮できません。オプジーボは、活性化されたキラーT細胞上でPD-1/PDL-1の結合によりその機能が抑制されているようなときにオプジーボが最も奏功します。しかし、水素ガスによって、悪玉キラーT細胞を活性化キラーT細胞に回復させることができた場合にはオプジーボの効果はオプジーボ単独のときに比べて約3倍まで生存率が改善します。従って、がん患者の末梢血中の悪玉キラーT細胞の割合によってオプジーボの効果を予測することができます。悪玉キラーT細胞のカットオフ値は、6.5 (悪玉キラーT細胞x100)で、これより高値の場合にはオプジーボの効果は期待できません。