悪玉キラーT細胞の割合は健康・未病の指標
前回、善玉キラーT細胞と悪玉キラーT細胞は逆相関関係にあり、この2つの細胞が増えたり減ったりしながら、ダイナミックに動くことで免疫を調節していることを述べました。例えば、ウイルスや細菌が侵入してきたり、また、がん細胞が発生したりした場合には、これを排除するために善玉キラーT細胞が優位に増えてきます。そして、その任務が遂行されたあとは、悪玉キラーT細胞が一時的に増加して善玉キラーT細胞が過剰にならないように調整します、そして、善玉キラーT細胞と悪玉キラーT細胞はニュートラルな状態に落ち着きます。しかし、何らかの理由により、善玉キラーT細胞が優位な状態が常態化している方がいますし、逆に悪玉キラーT細胞が優位な状態が常態化している方もいます。前者の方は、自己免疫性疾患に罹りやすくなりますし、後者の場合にはガンにかかりやすくなります。我々は悪玉キラーT細胞の割合を数値化しており、悪玉キラーT細胞> 10.0を髙値群、悪玉キラーT細胞 < 5.0を低値群、そして、5.0 < 悪玉キラーT細胞 < 10.0をニュートラルな状態と考えています。健康成人でも、高値群はガンのハイリスク群になりますし、低値群は自己免疫性疾患のハイリスク群になります。悪玉キラーT細胞が 5.0~10.0の間にあることが免疫学的健康だと定義することができるのではないかと思います。そうすると、未病とは、悪玉キラーT細胞がこのニュートラルな状態から外れて高値や低値にぶれている状態ではないかと考えます。例えば、悪玉キラーT細胞が高値にぶれている人は、未だ病気ではないが、風邪を引きやすいとか、熱が出やすいとかの症状があるかもしれませんし、低値にぶれている人は、アレルギー性鼻炎やアトピー、喘息などのアレルギー症状を起こしやすい可能性があります。水素ガスは、この悪玉キラーT細胞をニュートラルな状態に保つ働きがあります。だから、水素ガスは未病状態を改善して、人を本来の健康状態に保ってくれるという素晴らしい働きがあるのです。