くまもと免疫統合医療クリニック院長の赤木純児です。2018年、本庶佑先生が免疫にブレーキをかけるPD-1という分子の発見でノーベル賞を受賞されました。このPD-1のブレーキを外す薬がオプジーボであり、これを使うと、末期がん患者様でも治癒するという奇跡的な現象が少なからず起き始めています。このことは「免疫こそが、がん治療の主役である」ということを強く指し示しています。当クリニックの主眼は免疫力を上げながら、がん治療を行うということです。免疫を上げる基本的な治療法は、ハイパーサーミアによる温熱療法、水素ガス吸入、オプジーやヤーボイなどの免疫チェックポイント阻害剤、タヒボやカイジ顆粒などのサプリメント、漢方薬などです。これに加えて、がん免疫サイクルが回り続けるように誘導するために、がん細胞を壊すことを目的として、化学療法や光がん免疫治療などを組み合わせて行っています。免疫を活性化する治療を行うことで、標準治療ではもう治療法がなく余命2~3ヶ月と言われたような末期がん患者様でも治療効果がでて、1年、2年、3年と生存されている方がおられます。中には、ほぼ治癒状態になったような患者様も少なからず出始めています。
これまで様々な標準治療を受けられていてその効果がなくなっていたとしても、
免疫を上げる治療を行えば、効かなくなった抗がん剤や放射線も
また効果を発揮するようになりますので、決して諦めないでください。
私たちは患者様の免疫状態に合わせた治療を選択して、
個々の患者様に最適の医療(オーダー医療)を行います
オプジーボ等の免疫チェックポイント阻害薬を使用するがん免疫療法は、薬が直接がん細胞を攻撃するものではなく、もともと体内に備わっている患者さん自身の「免疫」の力を利用して、がん細胞への攻撃力を高める治療法です。
体内へ侵入したウイルスや異物を攻撃する役割を担うT細胞に働きかけ、T細胞の攻撃を抑制しようとするシステムを阻害する薬剤です
オプジーボ等免疫チェックポイント阻害薬を投与することによって、「免疫機能へのブレーキ」を解除して、T細胞はより効果的にがん細胞を攻撃できるようになることが報告されています。
・治療方法
オプジーボ等免疫チェックポイント阻害薬を点滴によって静脈に投与します。
使用する薬剤の投与量や治療間隔などについては、ガイドラインや治療歴、体重等によって、治療計画の中で決めていきます。また、副作用の程度や体調等によって、治療計画を変更することがあります。
・予測される効果
オプジーボ等チェックポイント阻害薬を投与する臨床試験では、高いがん細胞収縮効果・生存率の検査結果が報告されています。自らの免疫力でがん細胞を攻撃できるようにすることで、がん細胞の増殖抑制、ひいては消滅が期待できます。しかし、効果のある人と効果のない人がはっきりしている傾向があります。
・副作用について
下痢や嘔気・嘔吐・食欲不振などの消化器症状、発疹、手足のしびれ、間質性肺炎などがあります。
副作用は治療内容や患者様それぞれによって症状の現れ方や程度が異なります。また、治療開始後すぐに起こる症状や、治療を繰り返すことで起こる症状があります。
・費用について
保険診療と保険外診療があります。
保険適用となるがん種は、それぞれの免疫チェックポイント阻害薬に対して決められています。例えばオプジーボは肺がんや胃がんなどに限られています。「手術できない」「再発または転移した」「ガイドライン」「患者様の治療歴・病状」などによっても、保険適応されるのかどうかが決まります。
保険外診療となる場合の費用はこちら
抗がん剤治療
抗がん剤による治療は、外科手術、放射線治療とともに「がんの三大療法」です。目に見えない微小ながんを叩くことができ、がん細胞が増殖できないようにして、がん細胞を死滅に追いやる抗がん剤の投与によって、がん細胞の増殖抑制、ひいては消滅が期待できます。抗がん剤の投与方法や副作用対策の進歩により、苦痛やリスクが軽減されるようになっています。
1990年代後半には、がん細胞に含まれるタンパク質や遺伝子をピンポイントで攻撃するため正常な細胞に対するダメージが少なく、より効率よくがんに効果を発揮する分子標的薬が登場しました。
・治療方法
抗がん剤を点滴によって静脈に投与します。
使用する薬剤の投与量や治療間隔などについては、ガイドラインや治療歴、体重等によって、治療計画の中で決めていきます。また、副作用の程度や体調等によって、治療計画を変更することがあります。
・予測される効果
抗がん剤の種類はどんどん増えており、その効果も確実に高まっています。
しかし、目に見えないがん細胞のうち抗がん剤に抵抗力があるものが残っていて、そのがん細胞が増え始める可能性はあります。
・副作用について
がん細胞も正常細胞も攻撃してしまうため、副作用が強く出る可能性があります。
嘔気・嘔吐・食欲不振、下痢・便秘などの消化器症状、口内炎、貧血、発疹、疲労感、脱毛、骨髄抑制などがあります。
副作用は治療内容や患者様それぞれによって症状の現れ方や程度が異なります。また、治療開始後すぐに起こる症状や、治療を繰り返すことで起こる症状があります。
・費用について
保険診療と保険外診療があります。
がん種等によって効果が期待できる抗がん剤があり、「ガイドライン」「治療歴」「患者様の治療歴・病状」などによって保険適応されるのかどうかが決まります。
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ハイパーサーミア(サーモトロン RF8)は、身体の表裏にセットした一対の電極の間に、AMラジオとFMラジオで用いる周波数の間に相当する、人体加温に最適な8MHz波(高周波)を流すことで身体内部に高周波電流が流れ、そのジュール熱により患部の温度を上昇させる仕組みです。身体の中心部は42~44℃に加熱し、42℃以上になると、がん細胞が特異的に死滅します。正常組織に比べて熱に弱いうえに、熱を逃がすことのできないがん組織はこの温度に耐えることができず、死滅していくのです。周辺部は40℃前後に加温されますが、そうなると免疫が活性化されます。主には、がん抗原をリンパ球に提示する樹状細胞を活性化し、血流を増加させることでリンパ球を始めとした免疫細胞ががん細胞に到達しやすくします。このように、ハイパーサーミアはがん細胞を特異的に殺すとともに、がん細胞周辺の免疫環境を整えることで、がんに対する免疫が誘導しやすくなるよう働きかけます。
ハイパーサーミア(温熱療法)を受ける時の注意事項
・ペースメーカー、植込み型除細動器、人工内耳等を装着している方は受けられません。
・次の項目に該当する方は治療を受けられない場合があるため必ず医師にお申し出ください。
1.加温域内に金属片(ステント等)、人工関節、ボルト等を留置又は金属粉を含む刺青等をしている方
2.導電性のある金属を含む貼付材(フェントステープ、モルヒネテープ等)を使用したままの方
3.豊胸材(シリコン)等が埋め込まれている部分への加温は出来ません。
・食事は開始4時間前までに済ませ、治療の前後に水分をしっかりと補給してください。
ハイパーサーミア(温熱療法)の主なリスク、副作用について
・温めている場所が熱くなり、チクチク、ピリピリといった痛みを感じることがありますが、ガーゼで保護したり、エコーゼリーを塗ることで、痛みを和らげることができます。
・低温火傷(発赤、水疱形成)、皮下脂肪融解、硬結(しこりのようなもの)が生じることがあります。
・発汗が多いため、一時的な脱水状態になる可能性があります。施行前後に十分な水分補給を行うことで予防できます。
ハイパーサーミア(温熱療法)にかかる費用等について
保険適応治療により所定点数を算定する場合は、初回算定月から6ヶ月間を保険適用の一連の治療として取り扱います。
患者様の負担金額 は、保険の負担割合に応じて、深在性の場合、3割負担の方は約 27,000 円、1割負担の方は約 9,000 円、浅在性の場合、3割負担の方は約18,000円、1割負担の方は約6,000円を初回治療時に頂きます。
その後の治療時には再診料・指導料(初診から1ヶ月経過後より月2回算定)のみのご請求となります。保険適用期間終了後は、自費治療(1回10,000円)となります。
また、保険算定の場合は、下記についてご留意ください。
1. 保険適用の治療は、初回算定月から2ヶ月間で、一連の治療期間は6ヶ月間となります。
2. 保険算定には、患者様の詳しい病状が必要となります。主治医の診療情報提供書をご持参ください。
3. 保険適応治療により所定点数を算定しますので、1回でも治療を行いますと患者様負担が発生します。よって途中で止められた場合であっても、ご返金致しかねますので、予めご了承ください。
水素吸入のメカニズムはまだまだ解明中ですが、様々な研究によって、水素には様々な良い作用があることが報告されています。
まず、水素ガスは、4つの活性酸素の中で悪玉活性酸素である、ヒドロキシラジカルのみを除くという特徴があることです。このヒドロキシラジカルは、がん、高血圧、糖尿病、老化などに関与しており、ミトコンドリアDNAを傷つけてミトコンドリア機能不全の原因にもなっているといわれています。
ヒドロキシラジカル以外の3つの活性酸素、過酸化水素、スーパーオキサイド、一重項酸素は、善玉活性酸素で、免疫を活性化する作用があります。
さらに、水素ガスは、ミトコンドリア活性化因子である、PGC-1αを活性化することが報告されています。また、がん患者様の予後不良に関与している疲弊CD8+T細胞のミトコンドリア機能不全を改善して、疲弊CD8+T細胞を再活性化することで、がん患者様の予後改善に寄与しています。
このように、水素ガスはがん患者の免疫のバックグラウンドを改善すると考えられます。
・水素ガス吸入方法
水素吸入機を使って、鼻から水素ガスを吸入します。呼吸をしているだけで吸入できるため、体への負担がなく、行動の制限も受けません。
・水素吸入の適応について
水素吸入は子供からシニアまで、だれでも安心して受けることができます。また、医療の現場をはじめ、リフレッシュ作用サロンやフィットネスジムでのスペシャルケアとしても利用されています。
・副作用について
副作用の報告はありません。吸入によって体内に取り込まれた水素は、自然に体外へ抜けていくため、安心して使用できます。
・費用について
水素吸入機を購入またはレンタルして、自宅で毎日吸入することができますが、水素吸入チケットを用意しておりますので、お手軽に利用することができます。
保険外診療となる場合の費用はこちら
がん細胞に特定の光に反応する物質(光感作物質)を事前投与し、これに反応する特定の光(低レベルレーザー)を照射すると、その光を吸収して一重項酸素を発生(光吸収特性)してがん細胞を特異的に 殺傷する治療法です。
一般的にはPDT(光線力学的治療)と呼ばれ、一部のがん治療にて日本でも行われてきましたが、近年ではIR-700とEGFR抗体を用いた光がん免疫療法も行われています。
レーザー照射で破壊したがん細胞より、がん細胞由来の抗原が体内に放出され、自身の免疫細胞がそれを認識し、がん細胞に対する免疫を引き起こし、 治療部位のみでなく転移巣等にも治療効果を与えていく治療法となります。
・光がん免疫療法の方法
光感作物質(光に反応する物質であるICGインドシアニングリーン)をリポソーム化した薬剤(以下ICGリポソーム)を点滴にて静脈に投与した後、MLDS(マルチレーザーデリバリーシステム)※1という医療レーザー機器や近赤外線ライトなどを使用して、静脈内照射・外部照射を行います。静脈血管内から血液中に照射することで、血管内に存在する腫瘍循環細胞(CTC)に対しても破壊効果を生むことができます。
まず1日目に、ICGリポソームを点滴にて静脈に投与します。
2日目に照射を行いますが、より効率的にICGリポソームをがん細胞に届けるために、腫瘍組織にナノ粒子が集積するという特性(EPR効果※2)を利用しており、その効果が得やすいとされているのが、ICGリポソーム投与後、24時間から48時間といわれています。この時間を目安に2日目の照射時刻が決定されます。照射時間は1時間です。
・光がん免疫療法の適応について
・このような方が受けられています
・リスク・副作用について
・費用について
光がん免疫療法1回あたり、22万円~33万円(税込)
内容 | 費用(税込) |
---|---|
外部照射2ヶ所 | 220,000円 |
静脈内照射+外部照射1ヶ所 | 275,000円 |
静脈内照射+外部照射2ヶ所 | 330,000円 |
・承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示
本治療に用いる光感受性物質およびレーザーおよび近赤外線ライトについては、医療機器等法上の承認を得ていないものです(一部承認医薬品の承認外治療を含む)。薬剤の一部は未承認医薬品ですが、医師の責任において適法に調剤しています。
がんの免疫療法の一つです。誰でも身体の中に細菌などが感染しますと、それを殺す細胞を持っております。そのような細胞の中には、キラーリンパ球といわれるがん細胞を殺せるリンパ球もあります。「自家がんワクチン療法」は、患者様自身のキラーリンパ球を体内で活性化して、分裂増殖を盛んにし、自分のがん細胞を殺そうという治療法です。
この自家がんワクチン療法は、新しい治療法で、まだ、臨床研究段階のものです。臨床データ解析研究の共同研究先として、自家がんワクチンを開発したセルメディシン株式会社に参加いただいております。
・この療法の具体的手順
この療法についてのお申し込みをされる患者様には、患者様のがん組織(ホルマリン漬け組織か、パラフィン包埋ブロックに入っている組織。組織量が少なくとも1.5グラム、できれば2グラム以上あるもの)と、それまでの経過を把握するために、手術前後の諸検査(病理診断、レントゲン検査、血液検査等)および最近の検査のコピーを持参していただきます。
ワクチンができましたら、免疫反応テスト後、左上腕皮内に5ヶ所注射、2週間後に右上腕皮内に5ヶ所注射、さらに2週間後左上腕皮内5ヶ所注射、計3回ワクチン注射を行います。
第3回注射の2週間後、上腕の注射部位の写真をとります。また、左前腕内側の皮内に再度免疫反応テストを行います。このテストは行わないこともあります。
・予測される効果
これまでの研究では、B型肝炎ウイルスに感染したことのある肝がんの患者様で、ワクチンを投与した患者様では、投与しなかった患者様に比べて、がんの再発率がはっきりと下がり、延命効果があることが統計学的に証明されております。
ワクチンによって体内でキラーリンパ球の活性化に成功すれば、がんに対する再発抑制効果・全生存期間の延長に効果があると考えられます。
・副作用について
副作用は軽いもの(注射部位の表皮が強い日焼けの後のように剥がれ落ちた一過性の発熱があったりしました)で、問題になる重篤な副作用は見つかっておりません。ただし、他の医薬品を併用している場合は、併用薬による強い作用が出る場合がありますのでご注意下さい。
・費用について
患者様一人あたり、初診・1コース分(3回)のワクチン投与・2回の免疫反応テストをすべて含めて160万円前後です。(必要に応じて行う血液検査、超音波検査、CT、レントゲン検査等は自由診療扱いとなり、追加料金が発生します)
21世紀の医療は予防医療とも言われています。病気にならない身体をつくることが病に対する最大の防御であり、今膨らみ続けている医療費の削減にも最も効果的だと考えられます。そこで重要になってくるのが、「健康」の定義です。「健康」とは、すくなくとも病気をもっていないこと。病気とは、日常生活や仕事に支障をきたすような身体の異常であり、それに対する治療をしているという状態だと言えます。
例えば、脳梗塞や心筋梗塞、がん、認知症、肺炎などです。これとは違って、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満などの所謂メタボリックシンドロームはどうでしょうか。これらの多くの人達は、これらの疾患を抱えながらもほとんどの方が症状がなく日常生活や仕事は続けられています。このような検査で異常がありながら症状のない状態を西洋医学的未病と言います。高血圧や高脂血症や糖尿病は、これらが進行すると、血管の障害(特に、動脈硬化)が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながります。そのため、これらの疾患の治療は、そういう重大な病気に陥らないようにするための予防の一つだと考えられます。
上記の西洋医学的未病に対して、東洋医学的未病というのがあります。これが本来の未病に相当するもので、自覚症状があるが検査では異常が認められないものです。
現在、死因の第一位で、年々増加し続けているがんに対する予防はどうでしょうか。
がんも生活習慣病の一つだと考えて、生活習慣病を改善する生活ががん予防になると言われてはいます、それも一理ありますが、それには大きな観点が欠けています。この冒頭にも述べましたように、がんは所謂「免疫異常」であり、免疫を改善することががん治療にもがん予防にも重要だということです。生活習慣病である、高血圧、高脂血症、糖尿病には、それぞれ、血圧、血中のコレステロールや中性脂肪の値、血糖という、計測できる指標があり、これらの値を改善することが予防に繋がると考えられます。このように、予防には目に見える形での指標が必要になります。しかし、免疫には未だ明らかな指標がこれまで存在していませんでした。これまでいろんな免疫の指標が報告されていますが、あまりに多すぎてどれが最も重要なものなのかと判断が難しい状況です。我々は進行癌患者様の治療を行いながら、その中でも、がん患者様の予後にもっとも直結する免疫指標を試行錯誤しながら見つけてまいりました。
その中で浮かび上がってきたのが、本庶佑先生が発見された、免疫のブレーキであるPD-1という分子を発現する、キラーT細胞であり、これが進行癌患者様の末梢血中に増加してくると予後が悪くなるという事実でした。このPD-1を発現するキラーT細胞は疲弊T細胞とも言われており、その本体はミトコンドリア機能不全による代謝異常であり、この疲弊T細胞はキラーT細胞本来の細胞傷害活性や増殖能、サイトカイン分泌能を失っています。これとは別に、PD-1を発現しているが、ミトコンドリア機能は維持しているキラーT細胞も存在しており、これはキラーT細胞ががん細胞とコンタクトしたときに一過性にPD-1を発現したものと考えられ、このキラーT細胞はオプジーボが最も奏効するT細胞であり、我々はこれをサプレッサーT細胞と呼んでいます。サプレッサーT細胞はがん局所に存在しており末梢血中には出現してこないものと考えられます。前述したPD-1を発現して末梢血中に出現して予後不良に関係するキラーT細胞はミトコンドリア機能不全に陥った疲弊T細胞と考えられ、我々はこれを悪玉キラーT細胞と呼んでいます。
悪玉キラーT細胞が末梢血中に増加してくるのは進行癌患者だけでなく、健康成人でもこれが増加している人が存在することに我々は気づきました。高齢者で認知症や誤嚥性肺炎を発症している人たちには、この悪玉キラーT細胞が増加している人たちが多く含まれているのです。また、現在全く疾患を持たない健康成人でも、約半数で悪玉キラーT細胞が増加しており、これらの人たちは、将来的に、認知症や肺炎、そして、がんのハイリスクグループになるのではないかと推定されました。これらの結果より、末梢血中の悪玉キラーT細胞の割合は、将来的な疾患予測、所謂「未病」の予測因子になる可能性があるのではないかと考えました。PD-1は免疫チェックポイント分子と呼ばれていますが、免疫チェックポイント分子にはこの他にTim-3という分子も存在しており、PD-1とTim-3が同時発現するキラーT細胞(超悪玉キラーT細胞)は、ミトコンドリア機能不全がPD-1のみ発現している悪玉キラーT細胞よりさらに深刻で、オプジーボもこの超悪玉キラーT細胞が高い症例では悪玉キラーT細胞よりもさらに効かなくなります。こういうことから、悪玉キラーT細胞と超悪玉キラーT細胞は、未病の指標になる可能性があります。これらをモニタリングしながら、これを下げる努力が健康長寿に繋がっていくものと考えています。
上記したように我々ががん治療に使用している治療法の他に、ヨーガ療法、鍼灸、アロマ、ホメオパシー、精神心理療法などの補完代替医療と言われてきた療法がありますが、これらも別のアプローチからの免疫を活性化する方法だと考えています。これらの療法は、がんの治療では補助的な役割ですが、病気の予防や健康維持、そして今話題の「未病」の改善には大きな力を発揮すると私は考えています。これらのがん治療や病気の予防などを進めるためには免疫の測定が不可欠になってきますが、当院では血液検査で簡単に測定できる、上記の2つのパラメータを含めた7つの免疫パラメータを使って、患者様の免疫状態の把握、そしてその動向を見ながら治療しています。また、健康な方でもこれらの免疫パラメータを用いることで、まだ病気ではないが免疫的には病気に近い方、これが私の考える「未病」の定義ですが、そういう方を見分けることも可能になってきます。そして、このような「未病」の方に上記のような補完代替医療を組み合わせることで、「未病」の治療も可能になるのではないかと考えています。これこそが、本来の意味の予防であり、すくなくとも、がん予防、認知症予防、肺炎予防に繋がり、さらなる健康長寿に繋がっていくと思われます。
免疫パラメーター | 何を見るか |
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キラーT細胞 Terminal CD8+T cells | がん細胞を殺す強さ |
悪玉キラーT細胞 PD-1+terminal CD8+T cells | 免疫抑制の程度≒ミトコンドリア機能不全 |
超悪玉キラーT細胞 PD-1+Tim3+terminal CD8+T cells | さらに強い免疫抑制≒さらに強度なミトコンドリア機能不全 |
CD57 ratio | CD8+T 細胞の分化の指標 =免疫反応が活性化されているかどうか |
コエンザイムQ10(CoQ10) | ミトコンドリア機能 |
GDF-15 Growth Differentiation Factor 15 | ミトコンドリア機能(ミトコンドリア病で増加) |
好中球リンパ球比(NLR) | 癌患者の予後不良の指標(ストレス指標でもある) |
また、当院では患者様との間に揺るぎない信頼関係を作ることに努力を惜しみません。というのは、患者様の我々スタッフに対する信頼の気持ちは治療効果にも大きな良い影響を与えてくれるからです。スタッフ全員がその持ち場持ち場で考えられる限り全力を尽くして、個々の患者様に応じた最適のサポートをさせて頂きたいと考えています。これまで述べてきたような、当院の医療は、がん患者様、とくに標準治療だけでは改善できない進行癌患者様たちの大きな福音になると信じていますし、さらに、当院が目指している「未病」の治療は日本国民ばかりでなく、全世界の人々の健康長寿に寄与すると期待しています。
期待される効果
・美肌効果、抗酸化作用や疲労回復効果、免疫力向上、がん予防など様々な効果が期待できます。
・経口摂取と比べて、点滴はビタミンCの血中濃度を20~40倍以上に増やします。静脈内に点滴で投与することで、高い効果が期待できます。
こんな方にお勧めです
・最近シミが気になる、お肌の弾力がなくなったなど、お肌の悩みがある方
・寝起きが悪い、免疫力低下等を感じている方
・がん予防や風邪予防、アレルギー予防など、病気を予防・改善したい方
起こる可能性がある副作用
・ビタミンCは、過剰に摂取しても、必要ない分は尿と一緒に排出されるため、基本的に重篤な副作用はありませんが、心臓や腎臓等の機能が低下している方はご相談ください。
・赤血球の機能を保つための酵素であるG6PDが先天的に欠損したG6PD欠損症の方は受けることができません。事前に必ずG6PDの血液検査を行います。結果が分かるまでに1週間程度かかります。
・ビタミンC血中濃度を維持し、効果を高めるためにサプリメントによるビタミンCの摂取をお勧めしています。
費用について
相談料+血液検査(G6PD検査) | 10,000円 | |
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高濃度ビタミンC | 25g | 19,000円 |
50g | 24,500円 |
※当院は、米国の薬局方に基づいた温度管理のもと冷蔵空輸されたマイラン社の高濃度ビタミンCを輸入して使用しています。また、国際集学的治療学会推奨の日本製ビタミンCも使用する予定です。
がん治療においては数多くの新たな治療方法が開発されています。保険外ではありますが、治療を受けることができ、治療法も選択肢が増えて、自分の体質や病気にあった治療を制限なく受けることが可能です。
また、「日本では未承認だが海外では承認済み」のような治療を受けることも可能になります。
・治療表示価格はすべて日本国内在住者向けの価格となります。
・インバウンド医療の治療費につきましては別価格となります。
・自費治療の為、医療(治療)費が高額となる可能性がございます。
自費診療 | (税込) | ||||||||||||
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免疫状態を調べる血液検査 | 20,000円 | ||||||||||||
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自家がんワクチン療法 | 価格は前後します 1,650,000円 | ||||||||||||
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診断書・明細書 | (税込) |
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診断書 (自院様式) | 2,200円 |
診断書 (生命保険・損害保険診断書) | 5,500円 |
明細書 (生命保険・損害保険診断書) | 5,500円 |
医療費等の状況 (学校提出、日本スポーツ振興センター災害共済給付の請求に用いるもの) | 無料 |
死亡診断書 (1通目) | 5,500円 |
死亡診断書 (2通目以降) | 2,200円 |
傷病手当金意見書 | レセプトにて |
セカンドオピニオン | (税込) |
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セカンドオピニオン料 | 20,000円 |
人間ドック(日帰り) | (税込) |
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基本健診 | 12,000円 |
胃バリウム | 39,000円 |
胃カメラ | 42,000円 |
乳がん | 32,000円 |
胃カメラ+全大腸+胸部CT | 65,000円 |
フルコース | 75,000円 |
ご不明な点がございましたら、スタッフにお申し出ください。
くまもと免疫統合医療クリニック
赤木 純児